背中と足首が柔らかくなると多彩な症状も楽になります。

ようやく本格的に秋となりました。季節は間違いなく移り変わることを実感するこの頃ですね。

乾燥し、冷えた空気がどこかもの悲しさを感じたりすることもある季節でもあります。
乾燥した気候は腸に炎症をお越し、心の栄養の吸収を妨げるとも言われます。
それが引き金となり「こころ」の不調を引き起こし自信がなくなり孤独感を感じることもあります。
なので腸内環境を整えることも必要な季節です。

また、この時期、これまでの9月に比べてさらに気温が下がりますが1年で最も過ごしやすい季節でもあります。
その一方で夜になると雲がないことで地表の熱が逃げてしまい朝晩の気温差が大きくなります。
ひどい時にはその差が15度にもなります。日中と夜だけではなく日ごとの寒暖差もかなり大きくなるためからだがついていけず
自律神経のバランスを崩す人が増える時期です。
特に夏から続く不調を感じている人はこの寒暖差により秋にもバテやすくなってしまいます。

東洋医学では、9月に引き続き「肺」が弱りやすく無性に悲しく自然と泣きたくなる季節です。
これも腸をはじめ全身が乾燥していることが原因と言われています。
それに加え肌の乾燥や咳などの不調を感じやすくなる時期とも言われます。
そしてその症状は悪化していきます。

そんな中、急に膝が痛くなったとか、ぎっくり腰になったとか、
めまいや耳鳴りがひどくなったとか言われるお年寄り等も増えているようです。

事例として

80才 女性

耳鳴りがひどく聞こえも悪くなり悔やんでおりました。
耳鼻科の検査は異常はないと言われ、鍼は怖がっていましたが近所の方の勧めで半信半疑で来られました。
両股関節の手術の既往もあり下肢のむくみもありアキレス腱にも強い圧痛もありました。
その他、天宗(てんそう)、環跳(カンチョウ)などのツボもひどく圧痛があり押すと嫌がります。
とても神経質なのでちょっとの痛みも嫌がります。
その上、もともと鍼を怖がっていたのでまずは慎重に細い鍼で太極治療の基本穴にもなる背部兪穴と、圧痛の強い天宗、環跳に。
また足首に置鍼を施しました。
加え首筋を細い(毛鍼)を用いて念鍼(管を使わない)方法で静かに刺入しました。
それにより全身の緊張が緩んだ感じとなりました。
それから数日後、また治療を受けたいとお電話がありました。
まだまだ耳の症状はありますが軽減したそうです。
それどころか、思わぬ副産物ともいえる皮膚の痒みがとれたとのこと。希望を見つけて喜んでありました。

介護施設職員 40歳

毎日職場では、パソコンでの業務。また利用者さんとの応対などなど。
毎朝頭痛が起こりつらそうな様子。もちろん、首肩こりも訴えられていました。
診ると天宗(てんそう)穴エリアに強い圧痛。上部胸椎側の脊柱起立筋は、圧痛は弱い者の緊張して張った感じ。
天柱(てんちゅう)穴は強い圧痛。足首の内側の皮膚もパーンっと張った感じでした。
この症例も太極治療の基本穴に置鍼。天柱穴、首筋にも静かな鍼を加える

その後、次回みえた時に施述語帰り道、景色がはっきりきれいに見えたと喜んでありました。

乳がん手術から1年

肩が上がりにくく苦痛を感じてある方が見えられました。
その方も背中と、肩甲骨の部(天宗穴エリア)をゆるめることで肩関節の挙上がらくになったと。
どの症例も、背部と足首がやわらかくなると多彩な症状が軽減していくことを感じます。