東洋医学について

今年も、あとわずかとなりました。今できることをおこない、今をしっかり楽しめる心をつくっていきたいものです。

漢方では、病気になる前の状態を未病(ミビョウ)といいます。そして未病の段階から対策をとることが大事だといわれています。
そこで鍼灸が、未病の段階でのツールとなれば幸いです。

生活習慣が乱れているとき、仕事が忙しくなった時、環境が大きく変わる時、こころにちょっとした不調を感じ始めることは人間として当然のことともいえます。
何があっても動じない人もいるかもしれませんが、基本的に同様してしまうのが私たち人間です。

西洋医学では気持ちの落ち込みを止める薬、不安感を安定サせる薬、検査数値がおかしいから正常にする薬などというように
断片的な判断から薬品が使われることが多いものです。
もちろん、その薬に救われるヒトもあると思います。しかし、からだの中のシステムはすべて連携しています。
不調が見えている一部分だケに対して薬で調整しただけでは心身の不調の問題を継続的に解決することは難しいのではないでしょうか。

実際に、精神的な問題もからだのさまざまな臓器と関連しているという考え方は、古くから伝わる漢方の理論です。
やっかいな症状だけに応急処置をするのではなく、からだ全体のバランスを考え対策をとっていくことはごく自然なことといえます。
漢方医学は西洋医学のように医学的根拠が充分ではないと蔑ろにされてしまうことが多いのも事実です。

ただ、漢方医学は、古来より続く学問でありたくさんの医学の中でされずに今の時代まで残り続いています。廃れることなく。

最近、頭痛や肩こりで来院された方で週1ほどの頻度でこられていました。その方が、最近髪の毛の白髪が減ってきてそろそろ染めなければというタイミングなのですが
まだそこまで目立たず染めずにすんでいるとか。
肩こりや頭痛の治療で首や頭皮に施す鍼が直接的に毛髪に栄養を与えたおかげではないかと考えます。

このように、主訴以外のところの症状が改善されるということはよくあるものです。

太極治療は全身、全体治療ですので。ただ局所のことだけではないということですので。
思わぬ副産物があるというものです