感染の後遺症ではないかと

最近、朝起きると胃の調子が悪く吐き気を感じるといわれる方が見えました。
この方は、50歳女性。介護職。1か月ほど前に新型コロナに感染された方です。
それ以来胃の調子が悪いと申しておられました。
それ以外にも肩首凝りもあり疲れやすくすっきりしないということでした。
胃の検査を病院でおこなってもなんの異常もないといわれてあとは鍼灸しかないと考え当院へこられました。

診ると、背中つまり上部胸椎棘突起を圧すると強い痛みがありました。自律神経の興奮が強いものと思われました。
そんな中、いつものように天宗穴、環跳穴と脊柱傍らの背部兪穴に鍼を刺入しようとして、
まず天宗、環跳に刺入をしただけで、お腹がゴロゴロと鳴り出しました。

胃腸の動きがコロナ感染後自律神経が調子を乱したものと思いました。もちろん、足首にも鍼を置鍼し膀胱経の原穴に温灸を施しました。
結果、からだがらくになったといわれ喜ばれました。滞っていた気血水のめぐりがよくなったものと思われます。
その後、高校生の娘さんも連れてこられました(笑み)

考察
この症例も上部胸椎に圧痛がありました。たいていその場合、交感神経が緊張していることが多いようです。
なので、私は、脊柱を触診、圧迫し、診断点としています。
特に上部胸椎側の圧痛は、自律神経の変調からくる心身の不調症状だと思われます。
具体的には、肩こり、頭痛などや内臓の多彩な症状、胃腸の不調、冷えのぼせなどです。
コロナウイルス感染症の後遺症に属するものではないかと思われます。この症例のよ
うに自律神経の緊張を起こす方が多いように思われます。症状としては胃などのよう
な消化器系に出ることが多いような気がします。

まとめ

新型コロナ感染症で2020年の春から現在までほぼ3年に近いくらいの間、世の中は、自粛生活、人に会うことを避けるような生活、
そのうえ、マスク生活、小さい子供までがマスクをし、表情をつくることができにくくなり不自然な生活ばかりでなく、
マスクで口をふさぎ、行動も制限し不自然なことをからだに仕入れるという生活は生命活動の法則、自然治癒力を崩壊させるものではないかと最近では思います。
とはいえ、社会、世の中に沿って生きなければならないのが難しいところですが、そんな中でも、少しでも生命の自然に沿った生活をすることが。それが自然治癒力を
自らに蓄えていくものだと思います。

不自然な生活をし、感染症にかかり心身共に病んでしまうものを鍼灸によって気血水の流れをよくして
自律神経のバランスを整えていくことが健やかに生きていくために必要だと思います。
鍼灸は、感染症にかかりにくいからだをつくり自然治癒力をあげるお手伝いができるものと思います。